民間シンクタンクの矢野経済研究所が、NOVA破綻の影響に関するレポートを発表していました。
NOVAでは高額の前受金制が大きな問題になっていたことから、NOVA破綻をきっかけに語学スクール業界に月謝制の導入が進むのではないかと思われていましたが、大手事業者の大半のコースはいまだに前受金制とのことです。
高額のスクール通いをやめ、安価なプライベートレッスンを始める人も増えています。
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<資料名> 緊急レボート 有力語学スクールの成長戦略
縲怩mOVA破綻後の業界動向は?縲鰀
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◆調査要綱
矢野経済研究所では、語学スクール市場でトップシェアを誇っていた株式会社ノヴア(NOVA)の破綻を各有力事業者はどのように見ているか、そして、市場にどの程度のインパクトを及ぼしているかを把握するために大手事業者や業界団体にヒアリング調査を行った。
当社では、毎年6縲鰀7月頃に語学ビジネスに関する市場調査結果を報告しているが、NOVA破綻を受け、今回臨時で調査を実施した。
調査対象:語学スクール業界大手7事業者、業界団体2団体
調査期間:2008年1月縲鰀2月
調査方法:弊社専門研究員による面接取材及び、電話・メールによるヒアリングを併用
◆調査結果サマリー
◇語学スクール市場の2007年度の市場規模は、前年対比8.5%減の3,166億円となる見込み
2007年度の語学スクール市場(見込値)は、前年対比8.5%減の3,166億円と予測された。2007年6月時点では、2007年度の市場規模は対前年比4.7%減の3,295億円となると予測していたが、NOVAの破綻や、そのことに関する一連の報道等により語学スクール全体のイメージが低下し、多くのスクールが新規生徒数減少等の打撃を受けたと見られることから、更に129億円の下方修正を行った。
NOVA破綻後、元NOVA生の流入で新規生徒数が増えた事業者もあるが、元NOVA生の人数に対して、再開したNOVA(ジー・エデュケーション運営)や、他のスクールに移った生徒はそれほど多くないようである。
しかしながら、幼児・子供向け英会話教室の需要増加、ビジネス二ーズやそれに伴う法人需要の高まりがあり、更に、現時点では未知数ではあるものの、シニア需要の増加も今後期待される。2007年は市場規模が大きく縮小したと見られるが、先述のプラス要因や、消費者保護の高まりにより業界が健全化されるのではないかという期待感等から、今後は市場が比較的安定するのではないかと考えられる。
◆調査内容の解説
縲怩mOVA破綻についての各社の見解縲鰀
「消化できないほど大量のレッスンボイントの販売」、「特定商取引法違反」、「急激な学校数増加」、「広告への過剰投資」等、「NOVAの経営手法に問題があったため破綻した」とする回答が多数を占めたが、「今まできちんと指導を行ってこなかった行政にも問題があったのではないか」、「多額の前受金を要するという業界のシステムに疑問を持つ消費者が従来に比べて増えたのではないか」といったNOVA以外の要素を挙げる回答も見られた。
縲怩mOVAの破綻が各社に及ぼした影響縲鰀
「語学スクール」に対するイメージ低下から、2007年6月頃(NOVAが行政処分を受けた時期)縲鰀10月頃(NOVAの破綻)は、生徒数の伸び悩みが見られたようである.だが、それ以降は元NOVA生の流入や、NOVA破綻によるショックが和らいだこと等から復調傾向にある事業者が多いようである。
また、「一時的に宣伝を自粛した」と回答した事業者があったり、「生徒等への説明をより丁寧に行うようになっている」と多くの事業者が回答していたことから、消費者感情への配慮が高まっているようである。そして、消費者に「安心」をアピールする等の理由から、業界団体への加盟も増加している。
縲恁ウNOVA生の受け入れについて縲鰀
ヒアリング結果から、市場シェアの30%強を占める大手7事業者が受け入れた元NOVA生の数は3万人強縲鰀4万人弱ではないかと推察される。このことから、他校へ流出した元NOVA生の数は、市場全体で10万人程度ではないかと考えられる。
2007年3月期におけるNOVAの生徒数は成人、子供合わせて417,033人に上っていたことを考えると、2007年6月以降解約が相次ぎ生徒が減少していたとしても、かなり少ない人数である。
要因としては、語学スクールそのものへの不信感からスクール通い自体をやめてしまった生徒が多かったのではないか等の理由が考えられる.但し、今後業界の信用が回復すれば再びスクール通いを始める元NOVA生も多くなるのではないかという回答も多数見られた。
縲恬ソ金システムについて縲鰀
NOVAにおいて、生徒から多額の前受金を集めていたことが問題視されたことから、月謝制の導入が進むのではないかと思われたが、NOVA再開と同時に月謝制を導入したジー・エデュケーションや、創立時から月謝制のシェーンコーポレーションを除いて、大手事業者の大半のコース(但し、子供向けコース除く)は前受金制である。
「月謝制の導入を検討している」という回答をしている事業者があったり、逆に、NOVA再開当初月謝制のみであったジー・エデュケーションが2007年12月からポイント一括購入制も導入していたりすること等から、月謝制も前受金もそれぞれにニーズがあるという状況が今後も続くのではないかと思われる。
縲怺e事業者の戦略・今後の目標について縲鰀
比較的多かった意見を総合すると、以下のような結果になった。
・教室数の増加よりも、1教室当たりの効率・採算性を重視
・レッスン、講師、サービス等のクオリテイ向上
・子供英会話に注力
・ピジネスパーソン、法人向けに注力
・シルバー層の取り込みを図る
スクール数を急激に増やしてきたNOVAの破綻や競争の激化等から、各社とも拡大路線ではなく効率を重視した堅実経営や、顧客満足を目指す傾向にあることが伺える。
また、バブル期やその後ぐらいの時期においては、語学スクールのメインターゲットはOLを中心とする若い女性であったが、近年は、子供、ビジネスパーソン、法人、シルバーといった様々な層が受講するようになっている(もしくは、これらの層の需要増加が期待される)ということがわかる。
縲怺e事業者・団体の今後の市場の見方縲鰀
各事業者・団体に市場に対する見解を持っているかを伺ったところ、「(市場は)今後も拡大する」、「ほぽ横ばい」という回答がそれぞれほぼ半々ずつとなった。以下にその理由及び見解の一部を記す。
「今後も伸びる」と回答した事業者の理由及び見解:
・子供英会話や、幼稚園への講師派遣の需要が伸びている
・グローバル化に伴う企業の海外進出等から、外国語を仕事で必要とする人が増えている
・地球規模で見ると、国内だけでなく海外におけるニーズも非常に多く存在する
・長期的に見れば、NOVA破綻によるマイナスイメージは払拭され、市場は回復する
「ほぼ横ばい」と回答した事業者の理由及び見解:
・需要はなくならないが、大幅な拡大はないのではないか。急激な拡大よりも、粘り強くサービス向上に努めることが必要
・余暇の使い道が語学スクール以外に向いてしまっているのではないか
・少子化により20歳前後の学習者が減っている
・ファッション感覚で英会話を習う層が減少している
・今後も事業者の淘汰や再編はあるかもしれないが、健全な経営を行う事業者は生き残るであろう